オンライン研修と集合型研修、その違いは!?

オンライン研修

 

2020年春、オンライン研修が一気に広がりました。
キラメックス株式会社(プログラミングなどのスクールを運営)の調査によると、実に60%以上の企業がオンライン研修を実施、50%以上の企業が今後導入したいと考えているそうです。
キラメックス社の調査の詳細については、こちら を参照ください。(外部サイトが開きます)
そこで、最近よく尋ねられる「形態が違うのはわかるけれど、実際は何がどう違うのか?」について3月から使い倒してきた私が解説いたします。

1.オンライン研修とリアル研修、最大の違いはコミュニケーションの取り方

従来の集合型研修とオンライン研修の特徴を下記の表にまとめました。

オンライン研修とリアル研修の違い

1つ1つ解説をします。
どちらも「双方向のやりとりができる」、これは共通点です。

さて、違いは・・・。
対面の研修では、講師からの問いかけやグループディスカッションでの対話は普通に行われます。
「事前課題にどのくらい時間がかかりましたか?」
「2時間です」「30分です」
「人によって、ばらつきがありますね。」といった具合です。
オンライン研修では、この対話にある「指示」や「説明」が加わります。
「事前課題にどのくらい時間がかかりましたか?マイクのミュートを解除して、答えてください」
「2時間です」「30分です」
「はい、(ではまたマイクをミュートにします。)、人によってばらつきがありますね。」となります。

人数にもよりますが、たいていはマイクの扱いやツールの操作についての一言を必要としますので、ワンテンポ遅れて答えが返ってきます。
通信環境による遅延(タイムラグ)も発生します。ITスキルや操作に慣れていない人が多いと、さらに時間がかかります。
少しずつ時間が積み重なり、全体的にみると説明にかかる時間は結構な量になります。
私の体感では、平均して通常の2~3割増し、60秒(1分)で済む会話に75~80秒くらいかかる感覚があります。

続いて、情報量の違いです。
私達は通常、相手の言語とボディランゲージの両方から情報を受け取り、理解しています。対面時は相手のボディランゲージを豊富に受け取ることができますが、オンライン研修では相手の肩から上しか見えません。またパソコン上の小さい画面で見ると表情の動きも読み取りにくいため、ボディランゲージ情報が極端に減ってしまいます。情報不足をカバーするためにより説明を必要とするケースがでてきます。

オンライン研修でもグループディスカッションは可能です。4~6人程度でしたら、自由に会話ができます。しかし、それでも気を付けていないと同時に複数の人がしゃべると全く聴き取れなくなり、ただの騒音になってしまいます。ところが、対面で話している時は数人が一度にしゃべっても多少は聞き取ることができているのです。(耳だけではなく、表情や手と身体の動きなどから多くの情報を得ているからだと思われます)集合研修時は、グループとグループをつなぎながらファシリテートができるのですが、オンライン型ではそれはできません。グループはグループ内のコミュニケーションしかできないのです。オンライン研修を実施する際には、このような違いを念頭に置いて構成する必要があります。

■ポイント

  • 説明を多く必要とするので時間の設定・配分に留意する
  • コミュニケーションに必要な情報の種類が少ないので、伝え方に工夫が必要
  • ディスカッションは単独のグループ内で閉じた状態になるので、共有の方法に工夫が必要

オンライン研修

2.物理的な違いはどう関係するのか?

次に、環境の違いについてみていきます。
いうまでもありませんが、集合型研修は「特定の会場に人が集合して、机と椅子に座った状態で参加する」ものです。お互いにお互いの全身が見えています。座っているとはいっても、ある程度動くことは可能です。配布物を取りに行ったり、提出したり。ワークや実習では動くこともでてきます。一方のオンライン型も机の前に座っていることが多いのですが、基本的にパソコンの前に固定されることが多くなります。カメラの画角から外れないようにするには、狭い範囲でしか動けません。集合型に比べて極端に動きが制限された静止の状態で座ることになります。また集合型は、講師・テキスト・ホワイトボード・他の参加者など視線をあちらこちらに動かす機会が多いのに比べて、「画面」をじっと見るという行動が続きます。とにかく動きが少ないのが特徴的です。
動きが少ない状態で座り続ける・・・つまり、集合型研修よりも疲れやすいのです。

それから集合型はみんなで同じ場所で受講しますから、物理的には同じ条件です。受講しやすいように事務局が環境を整えます。一方オンライン研修はどこで受講するか・受講時にどんなツールを使うのかがまちまちです。まず通信環境が整っていないと受講ができませんし、パソコンで受講するのかタブレットなのかスマートフォンなのか・・・によっても違いがでてきます。ですから、面倒ですが事前に環境をチェックしておくことをお勧めします。次の項目のITスキルを事前にチェックするためにも環境チェックは効果的です。
具体的には、接続テストの日を別に設けます。接続テストでは、通信状態・マイクとカメラの使用・チャットなどのコミュニケーションツール機能をすべて使えるかどうか、を確認します。もし不具合がある場合には、当日までに改善策を実施します。

ディスカッションする人

■ポイント

  • 動きが少ないことによる体力的な疲労が生じるので、軽減する工夫が必要
  • 意図的に動きをつくることを考える
  • 事前に接続テストをする

3.能力・スキルの違いとは!?

オンライン研修を始めると、すぐに気づくことがあります。
それは通常の生活や集合型研修とは違う側面が見えることです。IT能力が高い人・低い人は操作の速さや使い方ですぐにわかります。ワードやエクセル、メールの使い方だけでは見えてこないかもしれません。それから、「発言」は苦手でも「文章なら得意」という人材が見つかることもあります。さらに対面の時には発言に躊躇するのに、PC画面の中なら緊張せずに話せる人がでてきます。画面の中の自分の写真のサイズが小さいことと「場の空気感」が希薄なので、しゃべりやすい、周りに人がいないので自分の発言で雰囲気が変わっているかどうかを気にする必要がなく気楽に話せるらしいです。さらに、少人数でのディスカッションを始めると、自然とファシリテーションができる人が見つかることもあります。先に書いたボディランゲージが少ない分、オンラインでは発言の方法を色々用意する(用意されているので使った方がよいのです。制限するのはあまり効果的ではありません。)と、それぞれのスキルや能力が見えてくるのです。

■ポイント

  • コミュニケーションの手段を多く用意しておくこと

4.まとめ どのようにオンライン研修を実施すれば効果的なのか?

上記に解説した特徴から、オンライン研修を実施するには、次のような工夫をすると効果的です。
リアル型研修をそのまま持ってきても効果はありません。ここに気づいていない人が多いので、オンライン研修を導入される場合にはご注意ください。

  1. 1つ1つの動作に時間がかかるので時間の設定・配分に留意する
  2. コミュニケーションに必要な情報の種類が少ないので、伝え方に工夫が必要
  3. ディスカッションは単独のグループ内で閉じた状態になるので、グループ間の共有には工夫が必要
  4. 動きが少ないことによる体力的な疲労が生じるので、軽減する工夫をする
  5. 意図的に動きをつくることを考える
  6. 事前に接続テストをする
  7. コミュニケーションの手段を多く用意しておくこと

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