経営者・リーダーのための伝える力とは?

最近、つくづく経営者やリーダーの「伝える力」の強化が急務だと考えています。
その理由やそもそも何のために伝えるのかを解説してみます。

1.伝える力がますます重要になっている

特に今の若手の方は、
動く前に説明を求める傾向にあります。
動かすためには道理や理屈を説いて明かす必要があるのです。
めんどくさいと思われるかもしれませんが、これが侮るなかれ。
説明を聞いて納得したら、そこからは行動が早いんです。
びっくりしますよ。

また若い方に限らず価値観が多様化してきています。
これまでのように同じ「前提」で仕事をしているとは限らないのです。
「暗黙の了解」がどんどん通じなくなってきていると考えるべきでしょう。

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2.何のために伝えるのか?伝わるとはどういうことか?

そもそも経営者やリーダーは何のために「伝える」のでしょうか?

それは聞き手の行動を促す、
状態を変えていくために伝えるのです。

では情報を聞いた後どうなれば行動を起こすのか、
どのように状態が変わっていくのかを考えてみましょう。
部下や後輩の指導育成の参考になさってください。

「伝わる」には次の5段階があると考えています。

1.そのものについて知らない
2.そのものについて多少知っている
3.理解している
4.納得する
5.行動する

図にするとこのような状態です。

伝わる5段階

各段階について見ていきましょう。

①そのものについて知らない

互いのことを知らなかったり、そもそも使っている言葉の認識が違ったり。
中でも社員とリーダー層ともなれば前提条件が違うので
全く話が通じないということもおこります。

この状態を変えるには
話し手ではなく相手にとってわかる言葉を使う
相手がイメージしやすいようにたとえ話や数字を使って伝えることが重要です。

 

②そのものについて多少知っている

知らない状態から一歩前進しました。
言葉や存在については知っていても、
背景や経緯までは知らないので判断ができない状態です。
理解にはまだ達していないので
その情報を使えるような状況にはありません。

ここから一歩進むには
体験談や事例を使いながら
全体像や他の事柄とどう関連しているかを説明することが効果的です。

伝わる段階前半

③理解している

ようやく理解しているところまできました!
でもですね、まだここでは使える知識にまでなっていないのです。
状況の判断は多少できるかもしれませんが
「自らの経験」にまで落ちていないの、動けない人がほとんどです。

先に進んでもらうには
行動することでどうなるかを伝えつつ
「体験」してもらうことが必要です。
「一緒にやってみよう」「テストしてみよう」
「練習しよう」といった声がけも必要です。
とにかく一歩踏み出すことを支援します。

 

④納得する

理解から更に進み、自分のこととしてとらえ始める段階です。
ここまでくると早いです。
この先行動に結びつかない場合は
何らかの理由があるので、その理由を一緒に考えます。
たいていは自信がないとか能力・スキル的な問題です。

ここでは「できる」「やろう」という気持ちをとにかくつくる、刺激します。
できない理由があがってきた場合はつぶしていきます。

 

⑤行動する

目指す状態に達しました!!

この状態を維持してもらうためには励ましの言葉をかけたり
フィードバックやふりかえりが有効です。

 

3.優秀な経営者はこのプロセスを理解している

これまでにお会いした優秀な経営者の方々を思い浮かべると
くどいくらい同じことをくりかえし伝えていらっしゃいました。
人が理解して行動するまでには時間がかかることをご存知だったのでしょう。

いかがでしょうか。
一度お話される相手の様子を見ながら
伝える/伝わる様子をチェックしてみるのも楽しいかもしれませんね。

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4.経営者・リーダーのための伝える力についてのまとめ

  1. 経営者・リーダーの伝える力の重要性が高まっている。
    その理由は若手が説明を求める傾向にあること、価値観の多様化により前提条件の共有が難しくなっていること。
  2. 人が新しい情報に接して行動するまでに5つの段階がある。
    ・知らない
    ・知る
    ・理解する
    ・納得する
    ・行動する
    知らない状態から行動にまで持っていくにはそれぞれのレベルに合わせた伝え方が必要。
  3. 優秀な経営者は同じことを何度でも繰り返している。

以上、参考になれば幸いです。

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